請求通知業務のDX化によるコスト削減事例:LPガス会社

さまざまな業務においてDX化、自動化されると新たな課題が出てくる場合もあります。
例えばLPガスの検針業務の自動化が挙げられます。LPガス会社では、スマートメーターの導入により検針業務のDX化が進んでいます。ここではLPガス会社が取り組んでいるスマートメーターの導入とそれに伴う新たな課題をSMSソリューションを活用して解決し、検針業務のDX化から請求通知業務のDX化、コスト削減を実現した事例をご紹介します。

LPガス会社における請求通知のDX化

LPガス会社のスマートメーター導入によるメリット

LPガス会社を含めたインフラ業界では、政府からの補助金制度等もありスマートメーターの導入によるDX化進んでいます。
スマートメーターの導入によりLPガス事業者における主なメリットは以下のような点が挙げられます。

  • ガス利用量の正確な管理ができる
  • 検針員が訪問しなくても自動的に遠隔検針を実施できる
    特に地方の遠隔地においては検針対象ごとの距離が離れておりスマートメータにより検針員の稼働・コスト削減効果が大きくなります。また、将来の人手不足への対応にも貢献することになります。
  • その他ガスの使用量データを継続的に取得できるため、使用状況から高齢者の見守りという役割も期待できます。

新たな課題-請求通知業務のコスト

LPガス会社におけるスマートメーターの導入に伴い検針業務がDX化される一方で検針結果、請求通知を郵送しないといけないという新たな課題が出てきました。今までは検針員が各家庭を訪問し検針票を各ポストに入れることにより請求通知をしていましたが、検針業務の自動化により検針結果を郵送し請求通知する必要があり、新たな郵送コストが発生することになりました。郵送コストだけでなく、紙、印刷コスト、また封入封緘に関わる稼働コストも発生することになり、コスト削減が課題となりました。
A社では請求書発行・発送業務を社内で実施しており、毎月1回、社内総出で数時間をかけて印刷・封入封緘・郵送を実施しています。社員の稼働と紙・印刷・郵送コストは膨大で、2024年10月からの郵便料金の値上げもありコスト削減が喫緊の課題となっていました。

LPガス会社における請求通知業務のDX化事例

SMSソリューションによる請求通知

スマートメーターの導入により、新たに郵送による請求通知の必要性が出てきましたが、LPガス会社A社は郵便による請求通知業務をDX化するためSMSソリューションの導入による請求通知のDX化を決定しました。SMSは特別なアプリのインストールが不要であるため、携帯電話番号さえ取得できればほぼ確実に届けられるという利点があります。また、SMSソリューションの特徴である「本人認証機能」を活用することにより安心・安全に請求通知することが可能になります。

さらに、CSVデータによる一括送信が可能である為、印刷、封入封緘にかかっていた稼働、コストを大幅に削減することが可能になります。

請求通知のDX化に向けた取組事例

請求通知業務にSMSソリューションの導入を決定したLPガス会社のA社が導入に向けて取り組んだ内容は次のとおりです。

SMS送信対象の決定

単純に携帯電話番号登録のある人をSMSによる請求通知に置きかえる訳にはいきません。
A社の場合は、LPガス料金の支払方法が口座振替・クレジットカード払いの顧客をSMSソリューションによる請求通知の対象にすることを決定しました。

請求通知内容の整理・設定

従来郵送している請求通知情報をSMSで通知する内容を整理、設定します。紙に印刷して郵送していた内容を、スマホのブラウザでも見やすくするため調整します。

本人認証方法の決定

顧客の大切な請求情報を安心・安全に届けるためSMSソリューションの本人認証機能を活用します。その認証方法を決定する必要があり、例えば生年月日、氏名カナ、4桁の数字等を事前に登録してもらう等があります。

顧客情報の更新(携帯電話番号の収集含む)

また一括で効率よく請求通知するためには、対象となる顧客データのみを抽出する必要があります。A社の顧客・請求情報を管理している基幹システムから、SMSによる請求通知対象顧客の送信先携帯電話番号、認証コード、請求内容等をCSVで抽出することになります。そのため、顧客管理システムにおいて新たに「SMS送信番号」、「認証コード」の登録欄を設定したり、携帯電話番号等の入力規則を統一したりする必要があります(半角数字、ハイフン無し等)。

顧客への周知

送信対象、送信内容が決定したら、郵送からSMSによる請求通知にスムーズに移行するため、事前に顧客にしっかりとアナウンスする必要があります。A社では毎月郵送している請求書に案内文を同封したり、自社のホームページで周知したりしました。
また、携帯電話番号の取得促進もコスト削減には重要なポイントです。
A社では、携帯電話番号の登録フォームを作成し、周知文にQRコードを表示し、SMSでの請求通知への移行を促進しました。

コスト削減と今後のさらなるDX化について

請求通知のDX化によるコスト削減効果

請求通知業務のDX化に向けてLPガス会社のA社ではSMSソリューションの導入決定後、方針の決定、顧客情報の更新、システム整備、顧客への周知、試行運用を経て、SMSによる請求通知を本格的に導入し、請求通知業務を効率的に行うことができるようになりました。
また事前に顧客に対してSMSによる請求通知への移行をしっかりと周知したため、実際の通知後の顧客からのクレームや問い合わせはほとんどなくスムーズに移行することができました。 

試行運用から約2か月で、対象顧客の2割をSMSソリューションによる請求通知に移行することができ順調にコスト削減効果が出ています。

また稼働面においても、システムから対象CSVデータを抽出、SMSソリューションの管理画面であらかじめ登録済の送信メッセージに抽出したCSVデータをアップロードし、送信ボタンを押すだけで一斉に送信されるため、請求通知業務にかかる稼働も1人の作業で15分程度となり、コスト削減だけでなく、大幅な稼働削減にも貢献しています。

請求通知業務の更なるDX化とコスト削減

このようにLPガス会社A社では検針業務の自動化により、郵送で請求通知しないといけないという新たな課題をSMSソリューションの導入により請求通知業務をDX化し、課題解決。コスト削減に加えて稼働面での削減にも成功しました。

しかし請求通知をDX化したといっても、まだ郵送による請求通知も残っており、更なるDX化によるコスト削減、稼働削減には、いかに携帯電話番号の取得を促進し、SMSへの請求通知に移行するかが重要なポイントになります。

また、口座振替、クレジットカード払いではなく、請求書による振込払いを選択している顧客もあり、郵送業務が引き続き残るということも課題となっています。

この課題に対してもSMSソリューションのもう一つの大きな特徴でもある決済連携機能を活用したコンビニ支払バーコードの送信による請求通知もコスト削減策の一つです。これらの課題に対してNTTタウンページは引き続き伴走し、支援してまいります。

まとめ

以上のように、LPガス会社において請求通知業務のDX化によるコスト削減の事例を挙げさせていただきました。SMSソリューションの導入により、郵送や印刷に関わるコスト削減や業務稼働効率の向上が期待できます。さらに、紙の使用量が減少し、環境保護にも寄与することができます。この事例は他のLPガス会社さまにとっても参考にしていただければ幸いです。

業種:ガス会社 導入サービス名:SMSソリューション 導入時期:2024年3月
※記載の内容はすべて2024年8月時点のものです。