電子メールなどに比べて、SMSはフィッシング詐欺に遭うリスクが低いとされており、SMS送信サービスを自社のビジネスに活用するケースも増えてきています。その一方で、SMSを狙う詐欺(スミッシング)も発生していることから、セキュリティ面を心配する声もあります。
自社でSMS送信サービスの導入を検討している場合、可能な限りSMSを安全に活用できるよう、サービスの内容を見極めることが大切です。この記事では、主にビジネスでSMSを安全に活用する想定で、SMS送信サービスの選び方や運用時の注意点について解説します。

SMSはメールよりも安全性が高い
企業が顧客とコミュニケーションをとったり、商品・サービスに関連する情報を発信したりする際、よく用いられるツールの一つに「電子メール」があげられます。しかし、電子メールは、送信者を詐称して偽の電子メールを送信し、公式サイトを模倣した偽サイトに誘導する、いわゆる「フィッシングメール」による詐欺に遭うリスクが高いとされます。
文字数や文面の自由度が比較的高いメールは、次のような手口で、不正に個人情報を取得しようとするケースが多く見られます。
●ID・パスワード変更を促す
●身に覚えがない商品の購入をキャンセルさせようとする
●偽サイトへの誘導 など
SMSを利用したフィッシング詐欺(スミッシング)も一定数発生してはいるものの、フィッシング詐欺全体の中では発生件数が少ない傾向にあり、その理由として以下のようなものが考えられます。
●国内携帯キャリアによるフィルタリング
●キャリア共通番号(大手キャリアが企業単位で審査・発行している番号)によるなりすまし防止
●送信できる文字数に上限があり、不正の手口が限定的(不在通知など)
また、電子メールに比べると携帯電話の番号が変わるリスクが少なく、開封率の観点からもユーザー本人への連絡がスムーズな傾向にあります。
安全なSMS送信サービスの選び方
自社でSMS送信サービスなどを導入する場合、安全性の観点からは、次のような点を確認してから選ぶとよいでしょう。
キャリア直接接続かどうか
SMSを送る方法は、大きく次の2種類に分かれています。
【キャリア直接接続】
【国際網接続】
キャリア直接接続は、キャリア直収と呼ばれることもあり、国内大手キャリアと直接連携してSMS送信を行う仕組みで、国内顧客への到達率が高い傾向にあります。これに対して国際網接続は、海外の配信事業会社を利用し国際回線網を経由してから国内の顧客にSMSを送信するため、コストダウンが見込めるもののフィルタリングによって到達率が低くなる恐れがあります。
よって、顧客に確実に情報を届けたい場合は、キャリア直接接続のサービスを選びましょう。
■送信元IDが指定できるかどうか
送信元IDとは、SMS受信者の端末に「メッセージの送信者」として表示される文字列のことです。自社や店舗の電話番号を設定することで、自社になりすましたSMSが、万一顧客に送信されてしまった際の被害を未然に防ぐことにつながります。
なお、アルファベットでの指定も可能となっていますが、不正に送信元が偽造されるリスクがあるため、送信元IDは国内電話番号の設定が望ましいとされます。
■セキュリティ専門機関の認証を受けているかどうか
セキュリティの専門機関による認証を受けているサービスは、セキュリティ面で対策がしっかり行われているため、安心して利用できます。具体的には、個人情報について適切な保護体制の構築・運用がなされていることを認証するPマークや、情報セキュリティマネジメントシステムが適切に構築・運用されていることを認証するISMS認証があるかどうか、導入前に確認しておくとよいでしょう。
SMSをビジネスに運用する際の注意点
SMS送信サービスを本格的に運用する際は、次の点に注意し、顧客からの信頼を得ることが大切です。
■特定電子メール法(特電法)に配慮する
通信手段として、SMSは「電子メール」のカテゴリに分類されており、広告・宣伝メールを配信したい場合は送信者情報の記載が必要です。また、送信前に受信者本人の承諾を得る「オプトイン」と、登録解除の方法を明記しておく「オプトアウト」という2つの義務があるため、その点に配慮してSMSを運用しなければなりません。
ただし、債権回収や予約確認など広告宣伝目的ではない連絡に関しては、オプトインは不要です。
■電話番号の収集方法を検討しておく
顧客にSMSを送信するためには、そもそもSMSを送信できる端末の電話番号を知らなければなりません。これまで郵送が中心だった顧客の場合、郵送物にお知らせを入れるなど、顧客から不審に思われずに電話番号を収集する方法を決めておくことが大切です。NTTタウンページ社では、電話番号収集に関しての知見も多くございますので、ご相談ください。
■社内の運用体制を整える
せっかくSMS送信サービスを導入しても、自社で運用体制が整っていないと意味がありません。サービスに精通した人材を採用したり、教育の機会を設けたりして、専任の担当者を設けたいところです。
連携する他部署とも緊密に連絡がとれるようにして、顧客が不安を感じないスムーズな運用ができるよう準備をしておきましょう。
より便利にSMSを活用するには
顧客に安心感を与える上で、SMS送信サービスは安全性の高いものを選ぶことが大切です。しかし、一口にSMS送信サービスといっても数多くの種類があり、できることにも違いがあるため、可能な限り多機能なものを選んでおくとビジネスの幅が広がります。
NTTタウンページの「SMSソリューション」を利用することで、次のような機能をビジネスに活用できます。
●アンケート機能(双方向コミュニケーション・アンケート収集が可能)
●多文字対応(リンク先で10830文字まで記載可能)
●本人認証(本人限定開封により誤送信を防止)
●決済連携(決済代行会社との連携により各種支払いが可能)
●PDF送信・保存(重要書類や明細、カタログなどを送信可能) など
SMSソリューションは、不正アクセス・情報漏洩リスクの低い通信網を用い、国内簡潔のセキュアな環境下で利用が可能です。データセンターは地震・災害に強い免震構造で、24時間365日常時監視システムを稼働させています。
安全性と多機能を両立したSMS送信サービスを利用したい企業担当者さまは、ぜひ導入をご検討ください。
https://www.ntttp-sms.com/
まとめ
SMSは、フィッシング詐欺のリスクが高い電子メールに比べると、安全性が高い連絡手段の一つです。SMS送信サービスを選ぶ際は、キャリア直接接続であるか、送信元IDが指定できるか、セキュリティ認証を受けているかなどを確認しましょう。
また、SMSをビジネスで利用する際は、特電法に配慮し、電話番号の収集方法や社内体制を整える必要があります。どのようなサービスを選ぶべきかお悩みの方は、まずはお気軽に弊社・NTTタウンページまでお問い合わせください。
2025年3月執筆