クレジットカード決済とSMS決済の違い|3Dセキュアについても解説

政府によるキャッシュレス化促進の影響などもあって、クレジットカード決済の仕組みを導入した企業は増加傾向にあります。2021年に経済産業省が実施した「キャッシュレス決済 実態調査アンケート」によると、調査対象の中小企業のうち、導入した企業の55%がクレジットカード決済を導入しているという結果が出ています。

しかし、これからECサイト経由での商品販売などを検討している場合は、クレジットカード決済以外の多様な支払方法に対応できた方が、ユーザーにとっての利便性を高めることにつながります。そのような決済方法の1つとしておすすめしたいのが「SMS決済」です。

この記事では、SMS決済とクレジットカード決済の違いについて、3Dセキュアなど安心面にも触れつつ解説します。

クレジットカード決済・SMS決済の仕組み

クレジットカード決済とSMS決済は、一見似たように見える部分もあるものの、実際のところそれぞれの仕組みは異なります。以下、クレジットカード決済・SMS決済の違いについて解説します。

クレジットカード決済とは

クレジットカード決済とは、クレジットカードを利用した後払い方式の一種です。キャッシュレス決済の中では比較的古くから浸透している決済方法で、一時的に商品の購入代金・サービスの利用代金をクレジットカード会社が立て替え、利用者は後日支払いを行う仕組みとなっています。

実店舗では、端末を経由してクレジットカード払いができ、オンラインでもECサイト等でクレジットカードのカード番号等を入力して決済が可能です。基本的に、支払能力がない人はクレジットカードを持てない(審査で落とされる)ため、代金未払いのリスクを減らす上でも有効です。

SMS決済とは

SMS決済とは、スマートフォン等のSMSを用いて、決済用URLを顧客へ送信する決済サービスのことをいいます。SMS単体で決済が完了するわけではなく、SMS決済サービスの管理画面に顧客情報を入力して決済ページを作成し、そのページへのリンクを顧客にSMSで送らなければなりません。

具体的な決済方法としては、クレジットカード決済・キャリア決済・コンビニ決済など複数の方法を選択できます。支払いが完了すると、顧客等から企業に通知が届いて決済が完了します。

クレジットカード決済・SMS決済の違いについて

クレジットカード決済とSMS決済は、似ている部分もありますが、基本的には異なる決済方法です。以下、企業等が採用する決済方法を検討するにあたり、それぞれの違いについて解説します。

決済方法の幅広さ

クレジットカード決済は、基本的に「ユーザー(顧客等)のクレジットカード情報」を利用して決済を行う仕組みです。オンラインの場合、所定のフォーム等に必要事項を入力してもらう必要があり、ユーザーにとっては面倒な作業になります。

これに対してSMS決済の場合、様々な決済方法を包括して運用できます。特に、SMS決済でコンビニ決済に対応できるようになると、クレジットカードで料金を支払えない人も気軽に支払手続きができるようになるため、自社の商品・サービスを新たな顧客層にアピールすることにつながります。

開封率の高さ

支払手続きの中で、メールアドレスから支払用サイトにアクセスするプロセスが含まれていると、メールが届かない・ユーザーの確認漏れがあるなどの問題が発生し、いわゆる「カゴ落ち(※)」に発展してしまうおそれがあります。
※カゴ落ち:ユーザーがECサイト等でカートに商品を入れたものの、購入に至らず離脱すること

しかし、SMSはメールアドレスではなく電話番号を介してテキスト・URLが届くため、開封率が高くカゴ落ちのリスクを減らせます。

クレジットカード決済時にSMSを活用するケースはある?

クレジットカード決済においては、基本的にクレジットカードの情報を所定の画面で入力したり、直接店舗で暗証番号等を入力して決済したりする方法が一般的です。しかし、決済方法によっては、SMSを活用することもあります。

SMSが用いられる場合がある「3Dセキュア」

3Dセキュアとは、本人認証サービスとも呼ばれ、クレジットカードの利用者がクレジットカードを所有している本人であるかどうかを確認するサービスのことをいいます。3Dセキュアが利用可能なサービスに加盟しているオンラインショップで買い物をする場合、クレジットカード情報のほかに“カードを持っている人しか知らない情報”によって本人確認を行います。

または、認証の度にカード所有者に対してSMSで「ワンタイムパスワード」を送信して、決済画面上で入力してもらう方法もあります。なお、3Dセキュアは本人認証サービスの総称であり、クレジットカードの各種ブランドによって呼び方が違う点に注意しましょう。

ワンタイムパスワードとは

3Dセキュアでは、クレジットカードの所有者しか知らない情報を使って本人確認を行うほか、本人認証を行う度に生成されるワンタイムパスワードを使って決済する場合があります。ワンタイムパスワードの多くはSMSにより通知され、所有者宛に送信されたSMSには4~6ケタの数字が記載されているケースが多く見られます。

ワンタイムパスワードを利用する場合、ユーザーはパスワード管理が不要になるため、第三者の不正を防ぎつつユーザーの手間を省くことができます。

SMS決済を採用するメリット

現在クレジットカード決済を利用している場合でも、SMS決済に切り替えることで、以下のようなメリットが期待できます。

汎用性が高い

SMSは、キャリア・端末に関しての対応範囲が広く、基本的には機種にかかわらず利用できます。日本においては大手キャリアが標準対応しており、MVNO(※)でも問題ありません。
※MVNO(Mobile Virtual Network Operator):自社で回線網を持つ企業から通信回線を借り受け、携帯電話の通信・通話サービスを提供する事業者のこと。

海外の携帯電話を使っている場合でも、国際SMSを使えば決済ができますから、SMSは海外に商品・サービスを提供している場合でも利用しやすいツールです。

本人確認時の確実性が高い

SMSは、特定の携帯番号で通話できる端末でしか受信できない分、本人確認時の確実性が高いとされます。仮に、ユーザーの電話番号が不特定多数に知られていたとしても、端末を操作しているのが本人ならば、基本的に不正は起こらない仕組みだからです。

例えばSNSアカウントのように、第三者が何らかの方法でID・パスワードを不正に入手するリスクが少ないため、SMS決済は不正決済のトラブルを防ぐ上で有効です。

セキュリティの面でも安心

インターネット回線を使わず、電話回線を使用するSMSは、ウィルス・マルウェア等の影響を受けるリスクも低い傾向にあります。SMS送信サービスを導入することで、IDS・暗号化などのセキュリティ強化も期待できます。

まとめ

クレジットカード決済の導入は、決済方法を増やしたり、代金未払いのリスクを避けたりする上で役立ちます。しかし、キャッシュレス決済の種類は多様化しており、何らかの事情でクレジットカードを持てない人もいるため、より多様な支払方法に対応できた方が有利にビジネスを進められます。

NTTタウンページの「SMSソリューション」なら、コンビニ、クレジットカード、ペイジー、口座振替がSMS受信から一連の流れで完結します。明細に関しては、1,400文字及び20項目の明細表示が可能となっており、ユーザーに必要十分な情報量を提供できます。

サービス詳細、活用方法など、 貴社に合わせたご提案をさせていただきます。 導入に関しての疑問などもお気軽にお問合せください。

お問い合わせはこちら

2023年11月執筆