企業の請求書発行業務は、重要なプロセスのひとつです。しかし、従来の紙ベースでの請求書印刷や手作業による封入・郵送は、時間とコストがかかり、ミスが発生するリスクも高いものです。また、紙の削減という環境対策も大きな課題となっています。それに加えて、郵送による請求書の送付は、配達時間や郵便料金の増加といった問題にも直面しています。
そのため各企業が請求書業務のDX化による業務効率化に取り組んでいます。DX化により、請求書発行業務を効率化し、業務の迅速化やコスト削減が期待されます。しかし、DX化を進めるに当たりさまざまな課題もあり、すべての問題が解決できるわけではありません。
ここでは、請求書の基本的な作成方法から、DX化のメリットと課題、そしてこれらの課題を解決するための効果的な手段の一つを紹介します。
請求書とは：基本的な構成と発行業務における課題
請求書は、通常、企業と顧客との取引の完了後に発行される重要なビジネス文書です。企業間や顧客との請求業務をスムーズに進めるために、請求書には必要な項目を正確に記載する必要があります。一般的に、請求書に必要な記載項目は以下の通りです。
- 請求者名
- 請求書発行日
- 請求書番号
- 請求先名
- 請求内容
- 請求金額
- 消費税額
- 支払期日
- 支払い方法
- 振込先口座（支払方法が銀行振込の場合）
これらの項目が正確に記載されていることは当然ですが、手作業での請求書作成はミスが発生することがあり、また、印刷・封入封緘・郵送といった作業には稼働とコストがかかります。このような課題を解決するためには、請求書の作成・送付のDX化による効率化が必要となってきます。
請求書作成の業務効率化に向けたツール活用
従来の請求書発行業務においては、請求書をエクセル等で作成、紙に印刷、封筒に封入・封緘し、郵送するといった作業があります。手作業による請求書作成は、入力ミスや封入ミスのリスクがあり、ミスをなくすためチェックにも手間と時間がかかっていました。またこれらの業務に加えて、請求書発行後の入金確認や入金消込、未納リストの作成、督促といった業務もあり、稼働がかかります。
これらの課題を解消するのが、請求書作成ツールの導入です。請求書作成ツールの導入によるメリットは以下のとおりです。
請求書作成ツールの導入により、請求書がフォーマット化され、データの自動入力や自動計算機能により請求書作成が自動化されるとともに入力ミスを防ぐこともでき迅速かつ正確に請求書を作成することが可能です。また、顧客システムとの連携により顧客情報や請求履歴の一元管理も可能となり、顧客管理に関する業務の効率が飛躍的に向上します。
最近では、比較的安価で簡単に導入できるクラウド型の請求書発行システムが開発され、多くの企業で導入が進んでいます。
DX化により、請求書作成業務の効率は大幅に向上しますが、まだいくつかの課題が残ります。
請求書のDX化における課題：稼働と郵送コスト
請求書作成のDX化によって業務効率化される一方で、まだ以下のような課題が依然として残ります。
郵送コストの増加と配送の長期化
また請求書を郵送するためには、郵便料金が発生し、2024年秋の郵便料金の値上げにより、郵送コストがさらに増加することになります。また郵送の休日配達はなく、到着までにかかる時間も無視できません。特に未入金時の督促等、急ぎの請求書が必要な場合、郵送によるタイムラグは大きな課題となります。
督促時の請求書再発行稼働と確認作業の煩雑さ
さらに支払遅延による督促の際に、請求書が顧客に届いたかどうか、手元に請求書があるのか等状況を把握することは難しく一斉に請求書を再発行し郵送する場合もあります。これによりさらにコストがかかることになります。請求書の再発行後、顧客が請求書を確認したのか、そして支払いが行われたのか、リアルタイムで確認する作業は難しく、手間がかかる上に、場合によっては未入金の長期化によりさらなるコストが発生する場合もあります。
SMSソリューションによる効率的な請求業務の実現
請求書作成業務の効率化に加えて、これら上記の課題を解決する手段の一つとして、SMSソリューションの導入が有効となります。
請求書の印刷と封入封緘作業の削減
SMSソリューションを活用することで、請求書を紙で印刷することなく、SMSを利用して請求書をデジタル形式で直接届けることが可能になります。SMSのメッセージに記載された固有のURLから本人認証を行い、請求書という重要な情報を、安心安全に直接本人に届けることが可能になります。請求システムから請求データをCSVデータで抽出し、SMSソリューションで一括送信することにより、印刷や封入封緘作業が不要となり、時間とコストを大幅に削減できます。
郵送コストと配送時間の問題解消
SMSソリューションにより請求書を送付することで、郵送にかかるコストを削減することができます。さらに、SMSは即時に配信できるため、配送時間の問題も解決することが可能です。これにより、請求書を迅速かつ低コストで顧客に届けることが可能となり、督促等、急ぎの請求にも対応できます。
料金督促の業務効率化、早期入金化と確認作業の効率化
SMSソリューションは、送信されたメッセージの開封状況や支払い状況をリアルタイムでトラッキング（追跡）する機能を備えています。これにより、顧客が請求書を確認したかどうか、そして支払いが完了したかどうかを即座に確認することができ、その状況に応じて対応することが可能です。この機能により、督促業務の煩雑さが解消され、業務が効率化します。
SMSソリューションで請求業務を効率化
以上のように、SMSソリューションは、請求業務におけるさまざまな課題を解消し、業務を効率化するための強力なツールとなります。印刷・封入・郵送といった業務稼働を省き、コスト削減と業務効率化を実現することができます。
SMSソリューションを導入することにより、請求業務のDX化を進め、コスト削減とともに業務を効率化してみてはいかがでしょうか？
2024年8月執筆