内容証明は電子メールで送っても効力はある?代替策についても解説

内容証明は、不動産管理会社の家賃督促など、特定の契約の履行を促すための通知として用いられます。送付手段は基本的に郵送となりますが、作業効率化などの理由からペーパーレス化が進む中、電子メールによる内容証明の送付を検討している人もいるのではないでしょうか。

実際のところ、内容証明を電子メールで送ったとしても、その効力は郵送と違いはないのでしょうか。この記事では、内容証明の仕組みについて確認しつつ、電子メールによる送信の可否・代替案などについて解説します。

内容証明の基本的な仕組み

内容証明とは、正式名称を「内容証明郵便」といい、郵便局が郵便物(一般書留)の内容文書について次の事実を証明してくれるサービスのことをいいます。

●どんな内容の手紙なのか
●その手紙をいつ、誰に出したのか

一般的には、全部で3枚同じものを用意し、そのうちの1枚が郵便局で保管される形になります。手元に文面を残すだけならコピーでも事足りますが、その手紙が間違いなく相手宛に届いているかどうか、証明することにはなりません。
 
例えば、督促状を債務者に送る場合、督促状を送付した事実を公的に証明することで、次のような効果が期待できます。

●裁判時の証拠になる
●消滅時効の完成猶予(停止)ができる
●確定日付が得られる(当事者が後から日付を変更できない)

内容証明は電子メールで送れる?

残念ながら、内容証明郵便に代えて、電子メールで内容証明を送ることはできません。以下、その理由について解説します。

法的効力を持たせることが難しい

電子メールで内容証明を送る場合、文章の内容や送信日時に関しては、メールを送った端末のメールソフトを確認することができます。しかし、その事実によって法的効力を持たせるのは、難しいと考えられています。
 
例えば、メール送信時にチェックされるのは、基本的に「送信先のメールアドレス」のみとなっています。つまり、メールの差出人を偽装することは理論上可能であり、メールを受信する側に「似たような内容のメールが他にも届いたので詐欺を疑った」と言われてしまう恐れがあるのです。

書式を内容証明郵便と同様に統一できない

内容証明郵便で書類を送付する場合、以下のような所定の決まりを守り、必要事項を記載しなければなりません。
 
●1行20字以内・1枚26行以内(縦書きの場合)
●かな・漢字・数字・括弧・句読点・一般的な記号のみ使用し、英字は固有名詞に限り使用する
●訂正時は間違えた箇所を二重線で消し、欄外に「何字削除、何字加入」と記載し、差出人の判を押すこと など
 
これらの条件を、すべてのメールソフトで例外なく再現するのは、非常に難しいものと考えられます。

開封・到達を証明できない

内容証明である以上、相手に送信して到達したことを、何らかの形で第三者が証明できる仕組みでなければなりません。しかし電子メールの場合、電子メールを受信した人がメールを開封したかどうか、アドレスに正しく到達したかどうかは、送信者の立場から確認することが難しい仕組みとなっています。
 
このことから、開封・到達の証明が困難な電子メールは、機能改善が実現しない限り内容証明の代替策としては採用されないものと推察されます。

郵便以外で内容証明を発送する方法

一般的な内容証明郵便とは別の手段を用い、作業効率化をはかりつつ内容証明を送りたい場合、SMS送信サービスを利用する方法が考えられます。SMS送信サービスの中には、内容証明郵便や未払い債権の回収に関わる督促状、受任通知等に関わる書面の発送をSMSに置き換えられる、督促業務に対応した機能を備えているものがあるのです。
 
内容証明を書面で郵送する手間が省けるだけでなく、専用のシステムで個々の受取人の開封状況などを確認することも可能になるため、業務効率化が期待できます。ただし、SMSで内容証明を送るためには、利用するサービスが所定の要件を満たした「債権譲渡通知等送信サービス」でなければなりません。
 
債権譲渡通知等送信サービスとは、内容証明郵便などに代わって債務者への通知をSMSで行うサービスをいい、通知内容やSMSの送信、到達日時などの通知記録は、サーバに5年間PDF保存されます。また、申請者の申し出があれば通知記録の証明書を発行できることも、サービスの特徴に含まれます。
 
ただし、どのようなSMS送信サービスでも債権譲渡通知等送信サービスとして利用できるわけではなく、経済産業省および法務省から「債権譲渡の通知等に関する特例に係る新事業」として認定を受けたサービスでなければ、SMSを内容証明の代替手段として使用することはできません。よって、サービスを導入する際は慎重に判断する必要があります。

電子メール以上に幅広い用途が可能なSMS

SMSを内容証明郵便の代替手段として採用すると、これまで書面で送っていたものをデジタル化できるため、従業員の業務負担が軽減されます。また、SMSの活用シーンは内容証明郵便だけに限りません。
 
NTTタウンページの「SMSソリューション」を利用すると、さらに多彩な機能をビジネスに活用できます。

●アンケート機能(双方向コミュニケーション・アンケート収集が可能)
●多文字対応(リンク先で10830文字まで記載可能)
●開封期限設定(生成される固有URLの開封期限の設定が可能)
●決済連携(決済代行会社との連携により各種支払いが可能)
●API対応(既存システムとの連携が可能) など

もちろん、SMSソリューションは経済産業省および法務省から「債権譲渡の通知等に関する特例に係る新事業」として認定を受けたサービスであり、内容証明郵便や未払い債権の回収に関わる督促状、受任通知等に関わる書面の発送を「SMSソリューション」の配信に置き換えることが可能です。債権回収業務のDX化を実現したい企業担当者さまは、ぜひ導入をご検討ください。
 https://www.ntttp-sms.com/

まとめ

内容証明を送付する機会が多い督促業務において、ペーパーレス化・作業効率化を実現したい場合は、代替手段としてSMS送信サービスを検討するのが近道です。印刷・発送の手間が省けるだけでなく、受取人がどのような状況なのか把握することもできるため、担当者の業務負担が大幅に軽減されるはずです。
 
ただし、サービスを選ぶ際は、内容証明に代わる通知が可能かどうか事前に確認しておくことをおすすめします。どのようなサービスを選ぶべきかお悩みの方は、まずはお気軽に弊社・NTTタウンページまでお問い合わせください。

2025年3月執筆